サックスの上達に役立つ練習方法と効果的なコツ

サックスを始めたきっかけは、恐らく多くの方が、どこかで魅力的なサックスの音色で
奏でられた演奏を聴いたからなのではないでしょうか?
でも初心者のうちは、その魅力的な演奏イメージと自分が奏でるサックスの音(曲)とでは、
かなり大きなギャップを感じるものと思われます。

「何で自分が吹いたらこうなるの?」

そんな感じだと思います。
そしてその差を埋めるために、インターネットで色々と調べてサックスの上達方法や効率的な練習方法を探したり、
教則本を買ったり、そしてスクールに通ったり、、、
しかしそれでも、中々その差が埋められないのではないでしょうか?

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何故なのか?

  • そもそも自分の理想とする音のイメージが明確ではない
  • 基本練習しかやっていない
  • 知識不足
  • 自分自身の演奏をモニターしていない
  • 具体的な解決策が見つからない

等々、その原因は人によって様々だと思いますが、
恐らく、


その差を埋めるために必要な体験をしていないために気が付くことができない、

からなのではないでしょうか。

たとえ簡単なメロディやフレーズであっても、もし自分の理想どおりの音をサックスで出す事ができたら、
その瞬間が、とても楽しい体験となります。

自分の理想と現実が一致する瞬間、
「なるほど、自分のイメージする音が出せなかったのは、これが原因だったんだ!」

という気付きの瞬間ですね。

自分のイメージする理想のサックスの音(音質、フレーズ、ニュアンス等々)を

自身の楽器で実際に音を出す事に成功する瞬間。

その体験を何か一つでもすることができれば、

恐らくサックスが楽しめるようになってくるはずです。

そして、その楽しい体験をいくつもいくつも積み重ねる事で、サックスの腕前がどんどん上がっていきます。

と同時に、サックスの練習は、
「何とか時間を作って頑張って継続すべきもの」ではなく、
「毎日の生活を豊かにしてくれる楽しい時間」へと変化していくはず
です。

この、上達のきっかけとなるような体験から生まれる気付きの瞬間には、

教則本等を見て、その通りに頑張って練習を続けるだけでは、中々めぐり合えません。

また、スクール等に通って、先生に言われた通りの練習を黙々とこなすだけでは、

やはり中々めぐり合えないものだと思われます。

では、上達のきっかけとなる気づきの瞬間は、どんな時に訪れるのか?

これは、色々とあると思うのですが、

まずは、プロ奏者(できれば一流の)の生の演奏に触れた時、だと思います。

例えば、初心者の方の中には、

自分が理想とする音のイメージが明確でない方もおられるのではないでしょうか?

目標とする音のイメージが明確ではなく、

なんとなくサックスを上手に吹きたいと思っているうちは、

恐らく、中々上達する事ができません。

(なんとなくのイメージだと、どこに向かっていけば良いのかわかりませんから、、)

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ですので、
自分がどんな風にサックスを吹きたいのか?を、
まずは明確に自分の中でイメージできる必要があるのだと思います。

そのためには、大好きなプレイヤーの大好きな演奏やフレーズを何度も何度も注意深く聴く。
これはつまり、これまでのようにリスナーとして音楽を聴くのではなく、

自分も同じプレイヤーとして、音楽を聴く必要があります。

そして、そのように吹きたいとイメージする。

しかし、そのように自分が吹きたい音を明確にイメージして、同じような音を出すためには、
CDから流れてくる音ではなく、生のサックス(できればマイクを通してない)の魅力的な音に触れる必要があります。

何故なら、魅力的なサックスの音色は、CDで聴いている時も十分に良い音ではありますが、
生で聴くと、もっと感動的な音がするからです。
CDで聴くよりも、大きな音で迫力があり、太くて暖かく深い音色であると感じる事が多いのではないでしょうか。

CDから聴こえてくるサックスの音ばかり参考にしていては、
自分のサックスの音色も、深みに欠ける薄っぺらな音色になってしまう危険性もあるかもしれません。。

実際の生の魅力的なサックスの音を聴いた瞬間、
これは、サックスの上達に必要な大きな体験(気づき)となるはずです。

それで初めて、自分が実際にサックスで出すべき音のイメージが明確になります。
このイメージが自分の中で出来上がった時点で、すでに上達したようなもの。
後は、イメージしたその音が出せるように練習するだけです。

出したい音のイメージが明確になれば、
そのための練習自体も効率的なものとなるはずです。

自分の中で明確になった理想的なサックスの音色は、その記憶が定着するまでは
時間が経つとだんだんと薄れていってしまいます。
ですので、できるだけ、プロ奏者の生演奏を聴く機会を多く設けるのがよいと思います。
(自分が大好きなプロ奏者のプライベートレッスンを受ける事ができれば最高ですね。)

ここで一つ注意点なのですが、自分が目標とするサックスの音色がジャズプレイヤーのサックスの音色である場合は、
ジャズプレイヤーの生演奏を聴くようにしましょう。
逆に、クラシックのサックスの音を目標としているのであれば、
クラシック奏者の生演奏を聴くようにしましょう。
(同じサックスの音ではありますが、音色、響き、ニュアンス等が全く異なります。)

実際の魅力的なサックスの音色が自分の中でイメージできるようになれば、
例えば、CDを聴いていても、
「このサックスプレイヤー、生で聴くと、きっとこんな音色をしてるんだろうなあ、、」
と想像する事ができるようになります。
そして、プロ奏者の演奏を通じて上達に必要となる気づきに出会える瞬間は、単に音色だけでなく、
メロディの吹き方、ちょっとしたフレーズの細かなニュアンスの付け方等々、色々とあります。

好きな演奏を何度も聴いていると、気になる部分が必ず出てくると思います。

例えば、その部分のフレーズを模倣するという体験を通じて、
初めて気がつく瞬間がたくさんあります。いわゆる、コピーですね。

頭の中だけでなく、実際に自分でも吹いてみることで、
自分にできない事、足りない事、等々が明確になります。

この、コピーをやるときは、その目標とする演奏のできるだけ細かな部分まで真似できるようにするのがポイントだと思います。
(今の自分の耳で聴き取れる、理解できる範囲の細かな部分までコピーできるように、妥協しない事)

例えば、CDを聴いていて、自分には出せないニュアンスのフレーズがあった場合に、
「何故同じようなニュアンスで吹くことができないのか?」
「プロ奏者は一体どうやって吹いているのか?」
等々を色々と考える時間も、上達に必要な体験だと考えます。

そして、
「なるほど、こんな風に吹けば、このニュアンスがだせるんだ!」
と、気づいた瞬間。 

もしくは、
「このニュアンスが自分には出せないから、なんだか格好よくないんだ、、、」

等と気がついた瞬間。

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この気づきの瞬間が、とても楽しい瞬間になります。
この体験で、また一歩上達します。

このように、プロ奏者の演奏に触れるという体験は、
上達のための多くの気づきを提供してくれます。
(更には、プロ奏者が一体どんな事を考えてサックスを吹いているのか?等々、 プロ奏者の思考に触れる事も大きな気づきを得られる貴重な体験となります。)

また、これ以外にも、
実際にバンドメンバーと合わせて演奏するという体験を通じて初めて気がつく事、


そして、 人前で自分の演奏を披露するという体験を通じて初めて気がつく事、
等々もたくさんあります。

プロ奏者の演奏に触れる事以外に、
これらの事も、上達に必要な気づきを得るための重要な体験となります。

私が思うに、独学で教則本をみたり、スクール(※)に通ったりして練習するという環境の中では、
その、楽しい体験、ワクワクするような気付き、に遭遇する機会が少ないのだと思います。
(プロプレイヤーによるレッスンを行っているスクールの場合は、多くの気づきがあると思います。)

一方で、初心者のうちからバンド等に所属している人の場合は、
そのような楽しい体験やワクワクするような気付きに遭遇する機会に恵まれている。

そのため、練習自体を楽しむことができ、モチベーションが継続する。
そして、多くの楽しい体験を通じ、たくさんのことに気が付く事で、早く上達する事ができるのではないでしょうか。

まとめると、初心者のあなたが、ポップスやジャズの曲をサックスで格好よく吹きたい!といったその目的を
できるだけ早く実現させるためには、 自分の理想と現実が一致する
(=サックスで自分が出したい音をだせる)という「楽しい体験」をたくさんして、
上達に必要な色々な事に、早く気が付くことが大切なんだと思います。

できるだけ早い段階で、いろんな体験をして、いろんな気づきを得る事で、
初心者のあなたの上達もどんどん早くなってくるはずです。

是非とも、プロ奏者の生演奏をできるだけ多く聴く機会を設けて頂き、
気になる曲、好きなフレーズ等々、積極的にコピーをして
吹けるようになって頂ければと思います。

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